先般、全盛を極めている囲碁界の寵児・張栩(ちょう・う)名人に
日本人で20歳の井山裕太さんが挑戦し、対戦成績4勝1敗で名人位を
奪取しました。20歳での名人位獲得は1965年に林海峰(りん・かい
ほう)が記録した23歳を、44年ぶりに更新する最年少獲得記録と
なりました。
私も20年来囲碁をやっておりますが、大変奥深いゲームです。
囲碁は4000年以上の歴史を有し、当初は娯楽というよりはむしろ
天文地象の占いや、兵法の研究のために用いられる事が多かった
ようです。碁盤には、「天元→北極星」「四隅→春夏秋冬」など
自然界、宇宙を抽象的に意味づけています。
囲碁人口は年々増加しており、現在では世界で約4200万人に
上ります。そして、古くから親しまれてきた囲碁から多くの
慣用表現が生まれています。
「一目置く」、「先手を打つ」、「駄目・駄目押し」、「八百長」、
「死活問題」、「捨て石」、「布石・定石」と皆さんもご存知のもの
ばかりですが、どれも囲碁から生まれた言葉です。
「傍目八目」(おかめはちもく)は私の好きな2つの言葉のうち
1つですが、「集中して対戦している当事者2人より、そばで観戦
している者の方が、かえって全体を捉え物事の事実がよく分かる
ことのたとえ」です。これは、ビジネスの世界でもよくあることで、
当事者は、自分自身が客観的に事実を見れなくなっていたり、全体が
見えなくなっていたりするものです。
第三者に意見を求めたり、一度冷静になって考え直したりする
ことで、活路が拓けると思います。
そして2つ目は、「大局観」です。大局観とは「的確な形勢判断を
行う能力・感覚のこと、転じて、物事の全体像をつかむ能力」
のことですが、企業経営もこれに習い、目先のことだけでなく
全体像を把握した上で進めていくことが大切だと
教えてくれています。
白と黒だけの幽玄の世界、二度と描けない基盤上のデザイン
囲碁は素晴らしい未体験ゾーンを提供してくれます。



